文字で説明する難しさ

ブログを書いていても思いますが、文字や言葉で説明するのは難しいものだと思います。図を書いたり絵を描いたりすればすぐに分かるようなことでも、文字や言葉だけで説明すると相手に理解してもらうのが難しいことがよくあります。

 

 翻訳する際にはある言葉が持つ意味の範囲ということをよく考えるのですが、例えば、日本語の「思う」という言葉が持つ意味の範囲を図で考えると、「思う」という言葉の周りを円で囲むイメージになります。その円の範囲が「思う」が持つ意味の範囲ということです。次に英語の“think”という言葉が持つ意味の範囲も同じように図で考えると、やはり“think” という言葉の周りを円で囲むイメージになります。

 

当然ですが、「思う」と“think”は意味が似た言葉ではありますが全く同じではありません。円のイメージで言うと、「思う」の円と“think”の円は2つの円がぴったりとは重ならず、重なっている部分とそうでない部分があります。重なっている部分であれば、“think”を「思う」と訳してもおかしくないけれども、重なっていない部分を「思う」と訳すとおかしくなります。これは当然その文章の内容や文脈によります。

 

といったようなことは、翻訳を仕事にしている人であればだれでも考えることだと思いますが、このように文字で長ったらしく書いた説明も、「思う」の円と“think”の円が部分的に重なっている図を書けば長々と説明しなくても相手に分かってもらえるはずです。そもそも私が上に書いた長ったらしい説明で、この説明を読んだ人が私が頭の中でイメージしているのと同じ図をイメージできるかどうかも分かりません。

 

そんなことを考え、その考えを文字で書いているとやはり文字で説明するのは難しいものだと思います。

 

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