1月28日〜2月8日(つづき)

 こういう仕事ではお金は得られても次につながるような経験は得られない。
 正直なところそう思った。そこで二つのことを意識して仕事を行った。
 ひとつは、通訳をする際に過不足なく伝えること。不足なくというのは当然のことなのだが、これまでは親切のつもりでついつい余計なことまで言ってしまうことがあり、その「過」の部分を特に意識した。実はこのことは今回初めて意識するようになったのではなく、通訳の仕事を重ねるにつれ自然と徐々に意識するようになってきた。そして、「親切のつもりでついつい余計なことまで言う」というのは実は親切でもなんでもなく、単に力不足だからであることにも気が付いた。というのは、余計な言葉を付け足さずすっきり意図を伝えることができないものだからついつい長々と説明してしまうだけなのである。これはたまたま他の通訳と一緒に仕事をして、その人の姿を見て気が付いたのである。そして、程度の差はあっても自分も似たり寄ったりのことをしていたことに気が付いた。まさに人の振り見て我が振り直せというやつである。ぼくは通訳する際に使用するメモ用紙の上に必ず4つの言葉を書いておく。そのひとつが「すっきり」なのだが、このすっきりというのは「すっきり通訳する」という意味であり、通訳する際に必要以上に余計なことを言わず必要最小限の言葉で過不足なく意図を伝えるよう心がけるためにこれを書いている。
 もうひとつは、可能な限り現場のことを勉強することである。本来は通訳していればそのような余裕はないはずだが、今回は通訳しない時間が多かったので、少しでも現場のことを勉強して今後の通訳に生かそうを思ったのだ。というのも、やはり通訳の仕事を通して痛感したのだが、現場でなければ勉強できない(分からない)ことというのはやはりある。そして、今回はタイ人研修生の仕事が運搬だったため、以前から知りたいと思っていた「かんばん方式」を勉強することができた。というのも、本などを読んでいるだけではやはりイメージがわかない部分があって、実際に現場を見てみるとぼくが思っていた以上に複雑な仕組みであった。しかし、今回運搬の現場を見ることができたおかげでかんばんの仕組みについてはある程度理解することができたし、実際問題として通訳であるぼくが仕事の内容を理解していれば、タイ人に通訳する時もより正確に伝えられるのである。そういうわけで、現場のことを勉強するのは決して自分のためではなく、ぼくが通訳するタイ人のためでもあるのだ、などと言い訳がましいことも書いておこう。


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