コンピュータ・プログラム研修の通訳(その二)
当日は予想通り横文字のオンパレード。そして思った通りのヘビーな通訳であった。
それでも、「講師の話す内容は横文字ばかりだろう」ということをあらかじめ覚悟しておくのとしておかないのとでは大きな違いであり、ヘビーながらも何とか切れずに通訳できたのはそうした覚悟があったからだと思う。
とは言っても、その出来は客観的に見てもとても褒められたものではなかったことは通訳をした自分が一番よく分かっている。なにせ講師のしゃべっている「日本語」の意味がよく分からなかったのだから。しかしこの点も初めから覚悟はしていた。実際、しゃべっている内容がよく分からなくても訳さなければならないことが通訳にはある。少なくともぼくにはある。もちろん完璧にその内容を理解できれば一番いいのだが、その分野の専門家ではない人間が通訳をするのだからどうしても分からない部分はある。最近ではそこを何とかするのも技術のひとつだと考えるようになった。
それから、今回は「そのまま伝えること」に徹しようと思っていた。実際には内容がよく分からないのでそのまま伝えるしかなかったのだが、前回の通訳の反省を活かして、「余計なことは言わない」よう心がけた。以前にも書いたように、自分の通訳に不安がある時ほどついつい余計な説明を加えようとしてしまうのでその部分を意識した。また、これと関わってくることだが、「くり返さない」ことにも気を配った。これも要は余計な説明を加えることと同じで、自分が通訳したことがちゃんと伝わっているかどうか心もとない時などはついつい同じことを繰り返そうとしてしまうのである。