何事においても視点を変えてみることが大事

仕事においても、普段の生活においても、人生そのものにおいても「視点」を変えるということはとても大切なことだと思います。

 

「物の見方」と言ってもいいし、「発想」と言ってもいいと思いますが、とにかく「視点を変える」ことを意識していないと、人というのはとかく物の見方が一面的になりがちです。

 

翻訳の仕事ひとつとっても、日本語(または外国語)の原文を外国語(または日本語)に翻訳するというのは必ずしも一直線のアプローチではなく、日本語原文→外国語訳文(または外国語原文→日本語訳文)の「→」の過程には様々なアプローチが存在します。

 

私の場合は、翻訳の作業をしていて適切な訳語がなかなか思い浮かばず煮詰まってくると、どうしても視点が狭くなりがちになります。というのは、そういう時ほど早く訳語を見つけたいので無意識のうちに直線的に訳語を考えようとするからです。そういう時は、今訳そうとしている言葉や文からいったん離れて、言葉であれば一文全体をながめてみる、文であれば段落全体をながめてみることで、それまで目に入らなかったことが目に入る場合があります。

 

もう少し詳しく言うと、煮詰まってくればくるほど訳語だけを必死に見つけようとし、その結果、文脈に目がいかなくなるのですが、そんな時にいったん文脈に目を戻してみることで、ああ、そうか、この原文はこういうことが言いたかったんだなということが急に見えてくることがあります。翻訳とは原文の「内容」を別の言語で同じように表すことであるということは頭の中では分かっているつもりなのですが、上述のように近視眼的になっている時は、知らず知らずのうちに原文の内容ではなく、言葉あるいは文の表面上の意味を機械的に置き換えようとしていることがあります。そういう時は、本来訳さなければならない「内容」から目が離れてしまっているので、意識的に「視点」を内容に戻してやる必要があります。

 

ですから、翻訳者であっても、いえ、翻訳者であるからこそ、辞書の意味を丹念に確認することは必要ですが、辞書を引けば直線的に訳せるということは物の名称などを除けばまずなく、辞書を引くことは翻訳というアプローチのとっかかりにすぎません。

 

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