「気分はとても良い」という日本語がどうしても気になる

インターネットでたまたま目にしたこの日本語が気になります。

 

このページの見出しに「気分はとても良い!コロナを恐れるな」と書かれています。

 

ちなみに元の発言はこのページに書かれていて、上の日本語の該当部分は“Feeling really good! Don’t be afraid of Covid.”です。

 

私の手元にある辞書では、“feel well”は「体の調子がよい」で、“feel good”は「気分がいい」と書かれています。インターネットで少し調べると、“feel good”は「調子がよい」という意味にも使うようですが、「気分が良い」と訳しても「表面的」には間違いではないでしょうし、日本語を母語とする大半の日本人は「気分はとても良い!コロナを恐れるな」という日本語を読んで、(日本語に違和感を覚えたとしても)何が言いたいのかは分かるのでしょう。

 

文章というのは文脈が重要ですから、例えば、「気分はとても良い」の前に「少し前までは体の調子がすぐれなかったが」という言葉を付けて、

 

「少し前までは体の調子がすぐれなかったが、今は気分は(が)とても良い」

 

という文章であれば、「気分はとても良い」という日本語でもほとんど違和感はありません。

 

ですが、「気分はとても良い」だけだと、少なくとも私は、「何かいいことがあって今は気分がとても良い」のような感じをこの言葉から受けます。

 

私は英語の翻訳者でも専門家でもありませんので、この日本語訳が正しいかどうかということを書くつもりはありません。ただ、インターネット上に載せる日本語の記事の見出しとして、「気分はとても良い!コロナを恐れるな」という見出しを「日本語」として客観的に読んだ時に、これを読んだ人がどういう印象を受けるのか、あるいは、どういう受け取り方をするのかといった「視点」がこれを書いた人には欠けているように感じます。

 

今回の記事はコロナウイルスに感染して入院していたアメリカのトランプ大統領が退院する前にツイートした内容ということですから、(伝え聞くところによると)コロナウイルスに感染して体調を崩していたトランプ大統領が退院前にツイッターでつぶやいた内容であるという「文脈」で考えれば、「気分はとても良い」という日本語は「ない」と思います。

 

他のメディアでは違う日本語になっているものもあるようですが、マスメディアであれば自分が書いた「日本語」が読み手にどう伝わるのかというところまで考えて書くべきだと感じました。

 

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