ポーホック対策

 まず、今日のタイトルを見て訳が分かる人はタイ語がある程度できる人だろう。

 タイトルの通り、文化のクラスが終わったぼくはポーホック対策のクラスを受講することにした。

 では、ポーホックとは何か。ご存知の方にはかったるいであろうが説明させていただく。タイ語で書くと「ป. ๖」。

 まず「ป. (ポー)」というのは略字である。新聞のところで「ผจก. (ผู้จัดการ)」という単語を説明したが、あれと同じで、この「ป.」にもやはり最後に「・」が付いている。さて、この「ป.」というのは「ประถมศึกษา (プラトムスックサー)」という言葉の略なのだが、この単語は「ประถม (プラトム)」と「ศึกษา (スックサー)」が合わさって1つの言葉になっており、「ประถม (プラトム)」は「初等」、「ศึกษา (スックサー)」は「教育」といった意味で、「ประถมศึกษา (プラトムスックサー)」で「初等教育」といった意味になる*1。日本の教育制度で言うところの「小学校教育」というやつである。

 次に「๖」であるが、これはタイ数字であり、アラビア数字で書くと「6」となる。タイ語では「หก (ホック)」と読む。ただし、この「๖」は実は年数を表しているので、正確には「ปีที่๖ (ピー・ティー・6)」、つまり「第6年」となる。

 ということで、「ป.๖」というのは「ประถมศึกษาปีที่๖」の略で、「初等教育第6年」といった意味である。つまり、日本語で言うと「小学6年」というわけである。

 ということは「ポーホック」というのは「小6」といった意味になるわけだが、じゃあ「小6対策」って何?ということになるわけである、知らない人には。

 説明がくどくど長くて申し訳ないが、実はタイでは外国人のためのタイ語能力検定試験が毎年行われていて、その試験で検定するタイ語能力が「タイの小学6年」相当というわけなのである。そして、多くのタイ語学校ではその試験のための対策の授業が行われ、ぼくの通っていた学校でもやはりこの試験のためのクラスがある。

 なお、通常のクラスは1ヶ月単位だが、このポーホック対策クラスだけは2ヶ月間のクラスになっている。ちなみに試験はぼくの記憶が間違っていなければ12月の第1土曜日に行われるので、ポーホック対策のクラスが始まるのは10月である。

 そう言えば、今書いていて急に思い出したが、ぼくの通っていた学校ではこのポーホック対策クラスを受講するための試験というのがあった。まあ大して難しいテストではないが。

 ぼくはこのポーホック(小学6年相当のタイ語能力検定試験)に受かるためにタイ語の勉強をしていたわけではないので、正直このクラスの授業を受けることには多少の抵抗はあったのだが、やはりどうせ試験を受けるならいい点数を取りたいということで、結局このクラスの授業を受けることにした。

 通常のクラスは生徒は10人までなのだが、このクラスに限っては生徒は21人で、しかも教室も通常とは違って大部屋を使用した。ぼくが受けた時は日本人はぼくを入れて2人だけで(他の人は新しい学校に行ったのであろう)、あとは台湾人、香港人、韓国人、インド人、フィリピン人、ノルウェー人、アメリカ人、イタリア人、ロシア人といったようにかなり国際色豊かなクラスであった。ちなみにぼくはこの当時28歳であったがクラスの中では一番年下だったのではないかと思う。

 もうひとつ、教える先生は通常のクラスと同じく1人で、実はこの学校にはポーホック対策のクラスを毎年教えている先生がいたのだが、この先生は前回の日記で書いた事件で学校を辞めてしまったので、ぼくたちを教えてくれた先生は別の先生であった。そして、やはりと言うかこの先生は教え方があまり上手ではなく、そこはやはり先生たちが辞めた影響というのはあったわけだが、そんな状況だったので、逆に、新しい学校の生徒には絶対負けん!みたいな気持ちがちょっと沸いてきたのも事実である。

*1:通常タイ語は後ろに来る言葉が修飾語となるが、この「ประถมศึกษา (プラトムスックサー)」のように前から修飾する場合もある。