二重子音もどき

 以前の日記タイ語の二重子音について触れているのだが、今日はその二重子音にかかわるちょっとややこしい話を少々。

 まず、次の2つの単語を見てほしい。

 「ตราด」 
 「ตลาด」

 まず上の「ตราด」の「ตร」はいわゆる二重子音というやつで、2つの子音がくっついて1つの子音みたいになっている。この「ตราด」を頭子音と母音と末子音に分解すると「ตร(tr)+า(aa)+ด(t)」となり、英語で表記すると「traat」となる。ちなみに、以前の日記にも書いているが、タイ語の子音には高子音、中子音、低子音の3つの子音があり、二重子音の場合は1つ目の子音の音を基準にする。つまり、「ตร」で言えば1つ目の子音である「ต」が中子音なので、「ตร」は「中子音」であると考える。そう考えると、頭子音が中子音で末子音が「k、t、p」の音(「ตราด」の場合は「ด」で「t」の音)なので、第2声調となる。

 次に「ตลาด」である。この単語も先ほどの「ตราด」と同じように、子音が2つ重なっているので一見すると二重子音のように見えるのだが、実はこの「ตลาด」は二重子音ではない。では、二重子音とどう違うのかというと、上に書いたように二重子音の場合は2つの子音がくっついて1つの子音みたいになっているのだが、この「ตลาด」の場合は「くっついている」のではなく単に「並んでいる」だけなのである。これを先ほどの「ตราด」と同じように分解してみると次のようになる。

 「ตลาด」→「ต + ลาด」→「ต(ta)+ล(l)+า(aa)+ด(t)」→「talaat(タラート)」

 ひとつ覚えておかなければならないのは、この「ตลาด」の場合は1つ目の子音である「ต」の後に「a」という音が入ることである。

 このようにただ単に子音が2つ並んでいるだけの二重子音もどきの単語がいくつかあるので読むに注意が必要なのだが、本当の二重子音というのは「ปร-、ปล-、พร-、พล-、ผล-、ตร-、กร-、กล-、ขร-、ขล-、คร-、คล-、กว-、ขว-、คว-」だけなので*1、逆に言えばそれ以外の組み合わせで子音が2つ並んでいるものはすべて二重子音もどきであり、その場合は先ほど書いたように1つ目の子音の後に「a」をつけて読む。

 ただし、この二重子音もどきでひとつ注意しなければならないのは、もどきであっても形は一応二重子音ということで、声調を考える際は、本当の二重子音と同じように1つ目の子音の音が基準となる。つまり、「ตลาด(talaat)」で言えば、1つ目の子音である「ต」は中子音であり、頭子音が中子音で末子音が「k、t、p」の音(「ตลาด」の場合は「ด」で「t」の音)なので、第2声調となる。

 ひとつ例をあげて二重子音もどきの読み方を確認してみる。

 「สมอง」

 まず2つ並んでいる子音を切り離して考えてみると次のようになる。

 「ส + มอง」

 1つ目の子音(ここでは「ส」)の後には「a」がつくので、

 「ส + มอง」→「sa + moong」→「samoong(サモーン)」

 と読む。

 ただし、声調を考える時は1つ目の子音の音が基準となるので、声調は次のように考える。

 頭子音が高子音で末子音が「ng」の音なので(「k、t、p」の音ではないので)、第5声調となる。

 ところが困ったことに、「声調を考える時に1つ目の子音の音が基準とならない」場合もあるので、そういった例外的な単語に関してはひとつずつ覚えていくしかない。

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*1:実はこれ以外にもあるのだがごく稀なものは割愛した。