タイ語を教える(その4)

 さて、第1回目のレッスンでタイ語の母音と子音、声調を教えたわけだが、タイ語の子音というのは単語の頭に付くもの(いわゆる頭子音)と単語の終わりに付くもの(いわゆる末子音)があり、第1回目では頭子音しか教えていない。そこで第2回目は残りの末子音を教えた。

 タイ語の子音というのは前回書いたように42字あるのだが、末子音の音の種類としては8種類しかない。このうち、日本語では「ン」と表記される音と、同じく日本語では「ッ」と表記される音がそれぞれ3種類ずつあり、一般的にはこの音の聞き取りが日本人にはなかなか難しい。

 というのも、例えば先ほどあげた「ン」で言えば、日本人はその音の違いを意識せずに使い分けているので、いざ違いを意識しようとすると難しくなるのである。

 ただ、逆に言えば、日本語で使い分けているということは、上に書いた3種類の音にあたる言葉が日本語にはあるということであり、タイ語でどういう音なのかという話の前にまず日本語ではどういう言葉がその音にあたるのかを説明した。ただし、これはぼくが独自に考えたものではなく、ぼくが過去に読んだタイ語の本に書かれていたものであることを先にお断りしておく。

 まず、日本語では「ン」と表記される音がタイ語には3種類あるのだが、具体的に言うと、「ng」、「n」、「m」という三つの音がある。これらの音は日本語ではそれぞれ以下の言葉の発音にあたる。

 「ng」 → 「三階」のサン
 「n」 → 「三条」のサン
 「m」 → 「三本」のサン

 少し説明すると、日本語で「三階(サンカイ)」と発音する時に、三階と言うつもりで「サン」までで止めた時の「ン」の発音がタイ語の末子音で言うと「ng」の音になり、同じように「三条(サンジョウ)」と言うつもりで「サン」までで止めた時の「ン」が「n」の音に、そして「三本(サンボン)」と言うつもりで「サン」までで止めた時の「ン」が「m」の音になるのである。

 次に、日本語では「ッ」と表記される音がタイ語には3種類あると書いたが、こちらは具体的に言うと、「k」、「t」、「p」という三つの音がある。これらの音は日本語ではそれぞれ以下の言葉の発音にあたる。

 「k」 → 「一個」のイッ
 「n」 → 「一頭」のイッ
 「m」 → 「一杯」のイッ

 こちらも先ほどの「ン」と同じように、日本語で「一個(イッコ)」と発音する時に、一個と言うつもりで「イッ」までで止めた時の「ッ」の発音がタイ語の末子音で言うと「k」の音になり、同じように「一頭(イットウ)」と言うつもりで「イッ」までで止めた時の「ッ」が「t」の音に、そして「一杯(イッパイ)」と言うつもりで「イッ」までで止めた時の「ッ」が「p」の音になるのである。

 ついでに言うと、残りの2種類の末子音は日本語で言うと「イ」と「オ」にあたる音で、この2種類は聞き取りも発音も容易である。

 で、今日は論より証拠ということで、第2回目のレッスンの音声ファイルをこの日記にアップしてみようと思う。

 ちなみに、この音声ファイルの44秒まで(単語数にして17語まで)がこの末子音の音で、その後の1分5秒までの10語はタイ語の1から10までである。で、1分8〜9秒あたりで「ฝึก (fUk)」という単語が入り(「ฝึก」はタイ語で練習の意)、1分11秒から最後までは聞き取りの練習である。(音声ファイルは1分19秒)

 ということで、ご興味のある方はこのファイルを聞いてみて下さい。実際どんな単語なのか次の日記で発表いたします。

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