翻訳者や通訳者はむしろゼネラリスト

翻訳や通訳の仕事は一般的にはスペシャリストというイメージがあるかもしれませんが、私は翻訳者や通訳者はむしろゼネラリストだと思っています。

 

例えば、私の場合はタイ語⇔日本語の翻訳・通訳者ですので、タイ語という言語の面ではスペシャリストと言えるかもしれませんが、翻訳または通訳する内容という点ではまさにゼネラリストです。

 

もちろん一口に翻訳者・通訳者と言っても、私などと違って専門分野に特化した仕事をしている方もいるでしょうが、人によって程度の差はあれ、翻訳者や通訳者はある程度多岐にわたる分野の仕事をしていると思います。

 

そして、内容が多岐にわたるということはすなわち、仕事において広範な知識が求められるということであり、このことこそ、翻訳者や通訳者がスペシャリストではなくゼネラリストであると私が考える理由です。

 

そして、ゼネラリストの側面がある翻訳や通訳の仕事においてこれまで常に悩んできたことが、自分にとってあまり興味が持てない分野の仕事をすることです。そしてもう一つは、多岐にわたる分野の仕事をしていると、結局どの分野も中途半端になってしまうことです。もう少し正確に言えば、仕事をした時にどうしても「中途半端」という気持ちの悪さが残ってしまうということです。

 

例えば、私は自動車関係であれば翻訳も通訳もかなり経験がありますので、一般的に言えば、自動車関係の知識もけっこうあるほうだと思います。しかし、自動車関係の企業の方と比べれば私は素人の域を出ませんので、専門家と比べるとどうしても自分の知識を中途半端なものに感じてしまいます。

 

また、翻訳をする際には、その文書の内容に関する専門知識があればあるほどいいのですが、実際問題としては、その分野の業界で過去に仕事をしていたということでもない限り、その道の専門家に匹敵するほどの知識を持っている翻訳者というのはなかなかいませんし、実際そこまでの知識がなくても翻訳をすることは可能です。ただ、先ほども書いたような気持ちの悪さはどうしてもあります。

 

ところが、現実としては限られた分野に特化した翻訳や通訳をするということは、少なくとも私の場合は、仕事の量という面でかなり難しいと思いますので、そうなると、できるだけ広範な知識を地道に身に付けていくしかないのですが、果たしてそれが本当に自分のやりたいことなのかという疑問は、正直に言えば仕事をやっている今でも自分の中にあります。

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