コロナ禍で考えた(考えている)こと

いきなりですが、ブログを再開しようと思っています。

 

このコロナ禍では特に仕事について色々と考えさせられました(そして今も考えています)。

私はタイ語の翻訳と通訳の仕事をしていますが、私の仕事も少なからずコロナ禍の影響を受けています。収入面では2009年のリーマンショック以来の落ち込みです。しかも、単なる不景気とは違ってまだまだ先が見えません。当然ながら私にとっても願わしくない状況ですし、一日も早く通常の世の中に戻ってほしいと思っています。

 

しかし、その一方で、これまでの自身の仕事を振り返る、また、今後の自身の仕事を考える上では非常によいきっかけになったと感じています。「仕事に対する考え方の変化」という意味では、2006年7月に6年間暮らしたタイから帰国したとき以来の大きな変化がありました。簡単に言うと、今まで見えていなかった(見ようとしていなかった)ことに否応なく目が向くようになったということです。

 

私は2013年3月31日からもう7年以上このブログを更新していないわけですが、その7年余りの間に仕事のあり方について、ああでもない、こうでもないと堂々巡りのように考えてきて、そして今もってまだ思案している最中です。

 

具体的な「仕事に対する考え方の変化」については、頭の中をもう少し整理してから、今後このブログで少しずつ書いていくつもりですが、「変化」の具体例を一つあげるとすると、翻訳と通訳という2つの仕事をやってきてよかったと思うようになりました。これまでは逆に、「どちらか1つに絞ったほうがいいのではないか」と思っていたのにです。

 

どうして考え方が変化したのか。実に単純な話なんです。今回のコロナ禍で言えば、もし私が「通訳」しかやっていかなったら、収入面ではもっとひどい状況だったはずです。翻訳の仕事は(まれにオンサイトの翻訳業務もありますが)昔からずっと在宅業務です。つまり、少なくとも「物理的」には今回のコロナ禍の影響を全く受けていないのです。もちろん実際には翻訳の仕事にも少なからず影響は出ています。ですが、お客さんであるタイ人自体が日本に来られないのだから(リモート通訳を除いて)通訳の仕事があるわけがないといったような物理的な問題はないわけです。これは外国人観光客を相手にする通訳ガイドなどもそうですが(むしろ通訳ガイドのほうが事態はもっと深刻です)、お客さんである外国人が来日できるようにならない限り仕事がないというのはなかなか絶望的な状況です。ですから、私は翻訳と通訳という2つの仕事をやってきてよかったと心底思っていますし、さらには、今回のことがきっかけとなって、「収入源の複数化」といったことにも目が向くようになりました。

 

これまでは考えもしなかった状況下に置かれたからこそ、これまでは考えもしなかったことを考えるようになりました。世の中のことも含めて、これまでとは違った視点で見られるようになりました。それだけでも、今回のコロナ禍は、私個人にとっては、決して悪いことばかりではなく、むしろ良いきっかけになったと言えます。