モジュール5(その2)

 通常ひとクラスの生徒の数は多くて10人なのだが、このモジュール5ではたまたま生徒の数が少なく、ぼくのクラスはわずか4人だった。しかも誰かしら欠席する日が少なからずあり、時には2人や3人ということもあった。そして人数が少なければ当然ながら1人あたりの生徒が発言する機会が増えるわけで、おかげでモジュール5ではこれまでと比べて発言する時間がかなり増えた。

 このモジュール5の内容は昨日書いたように15〜20行程度の文章を毎日1ページずつ読解していくのだが、まずはその文章を生徒が少しずつ順番に読んでいく。これにしても生徒が10人いれば1人あたりの生徒が読める量は少ないが、人数が少ないと自分が読む量が増えるわけである。

 そして生徒が文章を読み終わったら、次はその内容を少しずつ見ていくわけだが、当然ながら毎回必ず新しいフレーズが出てきて、1日でだいたい2つぐらいは新しいフレーズを勉強する。そしてその新しいフレーズの意味を理解したら、今度はそのフレーズを使ってそれぞれの生徒が文章を考え、それを発表するのである。また、フレーズだけではなく、毎回新しい単語も出てくるので、それについても当然勉強する。

 また、ぼくが通っていた学校では毎回必ず宿題があって、モジュール1、2あたりはまだ大したことはないのだが、モジュールが進むにつれて宿題もだんだん大変になってくる。

 ちなみにモジュール3と4では文字の読み書きの勉強が始まるので、タイ文字を書くためのノートを使うようになり、新しく勉強した文字や単語をそのノートに1文字あるいは1単語あたり1行ずつ書いてくるというのが宿題だった。

 そしてモジュール5になると、今度は新しく勉強した単語をノートに書くだけでなく、新しく勉強したフレーズを使った例文をノートに書くという宿題が加わる。

 この当時のぼくは仕事は何もせずタイ語の勉強だけをしていたが、それでもけっこう大変だったので、仕事をしながら勉強していた人たちはさぞかし宿題が負担になっていたことだろうと思う。ただ、実は学校の宿題だけならそれほど大変ではなかったのだが、ぼくはその日に勉強した文章を毎日10回程度音読するようにしていたので、やはり学校以外の時間もタイ語の勉強にもそれなりの時間を費やしていた。

 また、学校での勉強とは関係ないが、このモジュール5あたりからテレビで連ドラを見始めるようになった。ちなみに初めて見たドラマの主演女優は歌手のマーシャー・ワッタナーパーニット(มาช่า วัฒนพานิช)で、主演男優はチャーイ・チャータヨードム(ชาย ชาตโยดม)であった。マーシャーはともかく(と言っても普通の日本人にはまず分からないだろうが)、チャーイの名前を聞いて分かる日本人がいたら相当なタイ芸能マニアだろう(ちなみにぼくは妻に聞いた)。