英語を英語のまま理解するとは?

さて、では予告通り、「英語を英語のまま理解する」というアプローチを具体例をあげて言語化してみたいと思います。と言っても、うまくいくかどうかは分かりませんが。

 

『総合英語Forest(第5版)』のP95の例文を使ってやってみます。

 

例文1:“She said that she goes jogging every morning.”

例文2:“She said that she went jogging every morning.”

 

この2つの文の意味の違いが分かるでしょうか。私はForestの説明を読んで一応は納得したものの、まだ完全には消化できていませんでしたので、2文の違いをなんとか言語化してみて理解を深めたいと思います。

 

 

まず、場面を自分で勝手に想定します。

Kateは親友のAnnの顔が最近ほっそりしてきたのに気がついて運動か何かしているのかと聞くと、彼女(She)は毎朝ジョギングをしているとのことでした。そして、そのことをその後または後日、別の友人に話したのが例文1です。

 

“go”は動作動詞で、動作動詞の現在形は「繰り返し行われる動作を表す」ので、「“go jogging”という動作を“every morning”という頻度で「現在」繰り返している」というのが、She(Ann)が言ったことです。

 

Jennyは同じクラスのAnnの顔が最近ほっそりしてきたのに気がつきました。そこで、Annと仲がいいKateに、「彼女(Ann)最近運動か何かしてるの?」と聞きました。それに対してKateが「彼女、毎朝ジョギングをしてるって言ってたよ」と答えたのが例文2です。

 

“go”は動作動詞で、動作動詞の過去形は「過去に繰り返し行われた動作を表す」ので、彼女(Ann)は「“go jogging”という動作を“every morning”という頻度で「過去に」繰り返していた」ことになります。ここで勘違いしてはいけないのは、Annは「以前は毎朝ジョギングをしていた」とKateに言ったわけではないということです。そうではなく、Annは「毎朝ジョギングを毎朝している」とその時Kateに言ったのですが、仮に「その時」が8月23日だとして、JennyがKateにそのことを聞いたのが8月25日だとすると、「(8月23日の時点では)Annは毎朝ジョギングを毎朝していると言っていたよ」というのが、KateがJennyに言ったことなのです。ですから、「8月23日の時点ではAnnは毎朝ジョギングをしているが、8月25日の時点ではそれは分からない」わけです。これが例文1との大きな違いです。もちろん、現実としては8月23日の時点でジョギングしていたのに8月25日にはしていないというのは可能性としては低いのですが、理屈としては、「現時点ではそれをしているかどうかは分からない」ことになります。

 

ちなみに、Forestには次のような日本語訳が書かれています。

 

 “She said that she goes jogging every morning.”

(彼女は毎朝ジョギングしていると言った)

“She said that she went jogging every morning.”

(彼女は毎朝ジョギングしていると言った)[今のことは分からない]

 

日本語だと同じ訳になってしまうんですね。ですから、「時間の経過」を意識して考えないとこの2つの文の違いは分かりません。

 

「時間の経過」を意識した上で上記のような想定で私なりに日本語にしてみます。

 

例文1:“She said that she goes jogging every morning.”

彼女、今、毎朝ジョギングしてるって言ってたよ。

 

例文2:“She said that she went jogging every morning.”

彼女、毎朝ジョギングしてるって(その時は)言ってたよ。

 

この日本語でもまだ100%スッキリというわけにはいきませんが、これで何とかニュアンスの違いは分かります(少なくとも私自身は)。

 

英語のネイティブであれば、この2文の違いが「理屈」ではなく「感覚」として分かるのでしょうが、ノンネイティブである私には「感覚」では分かりませんので、まずはこのように「理屈」をこねて理解し、そして、実践経験を重ねていくうちにそれが「感覚」に昇華していくのだと思います。

 

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