時間面での翻訳と通訳の違い

 題名だけ書いて、後から内容を書くなんてするもんじゃない。

 題名を書いたはいいが、結局ブログを書く余裕がなくて、本当は今もないのだが、今書いておかないとこのまま題名だけで放置する姿が想像できるので書く。
 このことは以前ブログに書いたことがあるかもしれないが、まず端的に言うと、通訳というのは、例えば8時間なら8時間と仕事する時間が決まっていて、その時間が過ぎればとにもかくにも仕事は終わりである。それに対し、翻訳というのは、何時間仕事をすればこの翻訳は終わるという仕事ではない。見直しや推敲も含めて翻訳し終えた時が仕事の終わりである。もちろんある程度かかる時間は予想できるが、何時(あるいは何日)になればこの仕事はとにかく終わりという通訳の仕事とは根本的に考え方が異なる。

 つまり、通訳というのは基本的に時間(あるいは1週間)が早く過ぎてほしいのだが、翻訳というのは(特に納期が厳しい時などは)早く時間が過ぎてほしくない仕事なのである。一生という限られた時間でものを考えた場合、早く時間が過ぎてほしいと思いながら仕事をするよりは、時間が過ぎてほしくないと思いながら仕事をするほうがいい。少なくとも私はそう考えている。