さてタイ語翻訳者としての今年は、そして今後は

 昨年の後半頃からずっと忙しい時期が続いたが、ようやくひと段落ついて落ち着いた。ただ、仕事が終わりホッとすると同時に次の仕事のことが不安になるのがこの仕事の因果なところである、ということはすでに以前このブログでも書いたとおりである。

 それでも、この仕事を本格的に初めて7年半近くになるので、最近はそういう仕事だと割り切れるようになってきた。特に昨年はいわゆる経済不況で私の仕事も大変厳しい状況であった。そして、今年もまだどうなるか分からない。だがそんな状況だったので、逆にあらためて自分の仕事を振り返るいい機会になった。
 タイで翻訳の仕事をしていた時は、2年目ぐらいから定期的に仕事の依頼が来るようになり、仕事が長く途切れるということはあまりなく、日によっては1日で3社から依頼があるなどということもあった。今の自分と比べれば、その頃の自分は翻訳者としては明らかにレベルが低かったはずなのに、である。品質面でもそれなりに評価はしていただき、自分でも品質面は重視しているつもりだった。だが、今あらためてあの頃を振り返ると、やはり忙しかった頃は仕事が雑になっていたように思う。自分ではそうは思っていなかったが、知らず知らずのうちにそうなっていたのではないか。今はそう思う。

 翻って現在。昨今の不況で昨年翻訳の依頼は減った。おまけに翻訳料金も業界全体では低落傾向にあるようだ。私自身も定期的に受けていた仕事で、不況を理由に料金の1割減を受け入れたこともある。減額を受け入れたのは、やはりフリーランスには定期的な仕事は大きいからだ。それでも最終的にはそのクライアントからの依頼は打ち切りとなった。クライアントの経費削減がその理由である。翻訳の質の面ではクライアントには満足いただいていたにもかかわらずだ。

 こんな状況なので今後も見通しはあまり明るくない。だが私はあまり悲観もしていないし、それほど深刻に考えてもいない。昨年不況を経験して逆に腹が据わったからだ。開き直りと言ってもいい。

 やはり品質を上げるしかない。昨年の経験であらためてこの思いを強くした。この翻訳者ならお金を出してもいい。そう認めてもらえるような仕事をするしかない。どんな業界でも本当に質の高い商品であれば、他の商品より値段が高くてもその価値を認めて買ってくれる人はいる。いや、余計にお金を出してでも買いたいという人はいるはずだ。そういう仕事を目指していかないと長く続かない気がする。

 そのことを踏まえた上で、品質というのは自分では少しずつ上がっていると思っていても、実はせいぜい現状維持にすぎないということを常に肝に銘じなければならないだろう。つまり、品質は維持しているなんて思っている状態では実は知らず知らずのうちに質が落ちているのだと考えなければならない。

 ただ、翻訳の技術だの品質だのという話をする前に、まったく違う次元で最近とみに大切だと感じていることがある。体力である。翻訳のような仕事であってもやはり体が資本だ。筋力とか瞬発力とかそういう意味ではなく、長時間仕事をしても集中力を切らさないだけの基礎体力が必要だということである。体の調子が悪ければどうしても集中力を欠く。そして、集中力を欠けば仕事の質に自ずと影響が出る。長い目で見て品質を上げることはどうしても必要だが、それと同時にできるだけ品質にばらつきのない仕事ができるようにならなければならない。今はまだ体力うんぬんを心配する年ではないが、この仕事を長く続けていこうと考えているのなら、今のうちから体の管理はきちんとしておかなければいけないと最近強く感じるようになっている。だからまずは体力が基本。そのためには意識的に運動もしなければならないし、何より食事をもっときちんとしなければと思っている。また、仕事はもちろん大事なのだが、家の掃除とか洗濯とかそういう基本的なことをもっとこまめにきちんとできるようにしたいと思っている。これは一見仕事とは関係なさそうだが、私はそういうことがきちんとできることは仕事にも必ずプラスになると確信している。これはうまく説明できないのだが、要するに普段の生活を規則正しくまっとうに送ることで、精神的にも安定してくると思うからだ。そして、精神面が安定すれば当然仕事にもいい影響を及ぼす、とそう考えている。

 なんだが、話にまとまりがなくなってきたので、今日はとりあえずこれだけ。


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