初めてのアテンド通訳(初日その二)

 タイの人たちを乗せたバスは1時間ほどで目的のホテルに到着した。

 バスがホテルに到着したのは午前9時40分ごろだが、実は次にホテルを出るのは午後2時とかなり時間があった。というのも、今回の駅伝大会にはタイだけではなく中国チームも3チーム参加する予定で、その中国チームが日本に着くのがいずれも21日の夜なので21日は日程に余裕があるのだ。

 そして添乗員の方と午後の日程の打ち合わせをした後、部屋でネットをしたのだが、21日にアップした日記(ブログでの日付は20日)は実はこの時書いたものである。というのも、ホテル滞在中に別の仕事のメールが入る可能性もあるのでできればネットが使いたかった。そこでツアー会社を通して事前にホテルに確認したところ、部屋でネットが使えるということだったので、少々荷物になっても自分のパソコンを持ってくることにしたのである。そしてこのパソコンが後から大いに役に立つことになる。

 ホテルで昼食をとった後、午後1時50分に1階のロビーに集合し、2時にホテルを出発した。ちなみに、今回はこのようにすべて10分前集合で行動してもらった。

 午後の最初の目的地は名古屋城だったのだが、実はこのあたりから自分が今回の仕事について思いちがいをしていたことが分かった。

 というのも、今回は添乗員の方がおり、ぼくの仕事はあくまでも添乗員の方の説明や指示などをタイ語に訳すだけだと思っていたのだが、実はそうではなく、ツアーの日程の管理は添乗員の方がしてくれるが、行く先々の説明等は基本的に通訳が自分でしなければならない。ということで今回の通訳は実は通訳であるとともにガイドとしての役割も求められているということに後から気が付いた。つまり、例えば名古屋城の説明なども本来は通訳が自分で説明しなければならないのである。ところがぼくは自分で説明するとは思っていなかったので、そこまでの準備はしていなかった。あえて言い訳をするなら今回の仕事はツアー会社から直接依頼されたものではないので、通訳の役割がどのようなものなのかという詳しい情報がなかったのであるが、いずれにしても事前の準備不足であることには間違いない。

 名古屋城には3時ごろ到着した。ここでは1時間半ほど散策および見学の時間がとってある。添乗員さんも最初は「わりと時間があるのでゆっくり回りましょう」と言っていたのだが、結果的には時間が余るどころか足りないような状態であった。添乗員さんがお城の入場券を買っている段階からいきなり写真撮影会が始まったからである。

 ぼくもタイ人の妻がいるのでタイ人の写真好きは分かっていたのだが、ここまでとは思わなかった。ただ、ほとんどの人が日本はおろか外国への旅行自体が初めてであろうことを考えると写真を取りまくるのも無理はない(こんな機会はもう一生ないかもしれないと言っていた人もいたがそれほどの大イベントなのである)。

 さて、ようやくお城の門前での撮影会が一段落し、城内に足を踏み入れたと思いきや、城内でもいきなり撮影会が始まる。なにせ20人近くの集団なので全員が写真を撮り終わるのを待つだけでも相当時間がかかる。そして、今回のツアーではぼくも行く先々で撮影係を務めさせていただいた。実はぼくも自分のデジカメを持ってきていて、余裕がある時は少しぐらい写真を撮ろうと思っていたのだが、結果的にはとても写真を取れる状態ではなかった。まあぼくは仕事なので当然であるが。

 もちろん撮影だけではなくお城の中も見学したのだが、お土産を買う人もいるし、人によって見るペースも違うので、城の外の休憩所でまだ城の中にいる人たちを待つことになった。そこで今回のメンバーの名前が英語で書かれたリストを取り出し、待っている間に少しでもタイ人の名前を覚えることにした。それまでにも歩いている時などに何人かには名前を聞いたのだが、なにせ人数が多いので1回では覚えられない。そこでリストに聞いた名前をタイ語で書いていくことにした。ただし、本当の名前ではなくあだ名であるが。幸いなことに今回のメンバーは名前の一部があだ名という人がけっこう多かったので(例えば、本当の名前が「สายฝน(サーイフォン)」であだ名が「ฝน(フォン)」など)、その人たちの名前はあだ名で覚えることにした。ただし本名とあだ名が全く違う人に関しては、両方聞いておいてまず本名のほうを覚えることにした。

 お城での散策を終え、次に向かったのが名古屋駅の近くにあるビックカメラという店である。店に到着した時にはすでに5時近くになっており、空はすでに暗くなりかけていた。ここで1時間ほど時間を取ったのだが、3人の女性陣はビックカメラには用事がないので別のデパートに行きたいという。どうやら最初からデパートに行くつもりだったらしい。というのも、今回の来日を前にいろんな人からいろんな物を頼まれていて、すでに買う物のリストまで作ってあるのである。今回は通訳だけではなく添乗員さんもいたので、添乗員さんが彼女たちを高島屋に連れて行ってくれることになり、ぼくはビックカメラのほうを見ることになった。

 買い物の時間が終了すると外はすっかり夜空となっていた。中にはGショックを5つも買っていた人もいたが(当然知り合いに頼まれたものだが)、ここではあまり買い物する人はいなかった。そして、通り沿いにとめてあったツアーバスに乗り込みホテルへと戻った。

 ホテルに戻った後、ホテルで夕食を取り、部屋に戻る途中でたまたまあった今回のまとめ役のタイ人がビールを飲みませんかと声をかけてきたので彼の部屋でビールを飲みながら少し話をした。そこで、自分たちが見に行く場所がどういう場所でどんな成り立ちがあるかといった話をしてくれるともっといいというようなことを彼から言われたのだが、考えて見れば当然の話で、この時彼と話ができたおかげでもっときちんと調べなければならないとあらためて自覚することができた。そして、幸いにも部屋でネットができるので夕食後の時間は部屋のネットで調べ物をすることにした。



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