ポーホック対策(その7)

 試験当日。

 ぼくは試験会場にはひとりで行ったのだが、会場で知った顔に会うとやはりほっとするというか心強いものである。

 試験会場の部屋に入ってまずびっくりしたこと。とにかく広い。

 広いであろうということは分かっていたが、いざ入ってみると予想以上の広さであった。しかも、以前日記に書いたように受験の申し込みが遅かったぼくは席が後ろのほうで、試験官の席からはかなり遠い。これはしまったと思ったが時すでに遅しである。

 試験はたしかタイ語の書き取り(เขียนไทย)からであった。上述のように試験官からかなり距離が離れていたので、試験官の声が思っていた以上に聞き取りにくかった。正直、書き取りの出来は学校の授業の時より明らかに悪かった。点数は出ていなくても感触で分かる。しかし、これも自分の力のなさのなせる業である。本当に力があれば後ろの席であっても聞き取れるはずで、結局この時のぼくはまだこの程度の実力しかなかったのだということである。

 今でもよく覚えているのが「ランアーン」という言葉。

 「ランアーン」というのは、背中の中央の毛が逆立っているタイ原産の犬の品種で、タイの街中で見かける野良犬の中にもこの「ランアーン」は少なくない。

 書き取りの試験で実はこの「ランアーン」が出てきて、タイ犬の「ランアーン」のことだということはすぐに分かったのだが、肝心のつづりを覚えていなかった。「ラン」が背中を意味する「หลัง」だと言うことは分かっていたのだが、「アーン」のつづりがはっきり分からない。「อาน」なのか、それとも「อาง」なのか、何回か出てきたので必死に聞き取ろうとしたのだが、席が遠いこともあって結局はっきり聞き取れなかった。ただ、先ほども書いたように、この時点でのぼくの聞き取り能力はこの程度だった、結局それだけのことなのである。ちなみに正しいつづりは「หลังอาน」で、タイ原産ということで正しくは「ไทยหลังอาน (タイ・ラン・アーン)」と言うらしい。

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