小休止(その2)

 トラート県(จังหวัดตราด)がタイのどのあたりに位置するのかは昨日の日記の「จังหวัดตราด」のところをクリックしていただければ分かると思う。クリック先のページの右端にタイ全土の地図が載っていて、それを見るとトラートはカンボジアと国境を接していることが分かる。ちなみにタイに住み始める1年ほど前にカンボジアに旅行に行った時にはこの国境からタイに戻りトラートで1泊した。

 チャーン島(เกาะช้าง)というのは昨日の日記にも書いたようにこのトラート県にあり、上のページで言うと、トラート県の地図に1から7まで番号がふってあり、この中の7がチャーン島である。ちなみにこの1から7というのはトラート県の郡(อำเภอ)で、このうちの6と7は分郡(กิ่งอำเภอ)と呼ばれる郡よりも小さい区域である。またついでに言うと、2はクローンヤイ郡(อำเภอคลองใหญ่)というのだが、ぼくがカンボジアから戻ってきた時にはこの郡にある国境を越えている。

 チャーン島にはトラート県から船に乗って行ったのだが、地図を見ても分かるようにトラート県からそれほど離れておらず、それほど時間はかからなかったと記憶している。詳しくはガイドブックでも見ていただければと思う。

 さて、この時は2泊3日の予定でチャーン島に行ってきたのだが、ここではその旅行中に特に印象に残っていることについて書こうと思う。

 昨日の日記の「เกาะช้าง」のところをクリックしていただいた人は分かると思うのだが、このページはタイ語が分からない人には全く意味のないページである。実はこのページは「チャーン島(เกาะช้าง)」のページではなく「チャーン諸島国立公園(อุทยานแห่งชาติหมู่เกาะช้าง)」のページなのである。ちなみにこのチャーン諸島国立公園とはこのページの説明によれば、40余りの大小の島々ならびに数多くの岩礁からなる国立公園で、その名の通り、国立公園の中ではチャーン島が最も大きい島である。なんて書いたが実はこの時チャーン島に行く前まではここが国立公園であるなんていうことすら知らなかったのだが、ひょんなことからここが国立公園であることを知ることになる。

 チャーン島は少なくともぼくたちが行った当時は海もなかなかきれいで、島自体もそれほど大きくなかったので、レンタルバイクを借りて島のビーチに何箇所か泳ぎに行ってみた。ただ、チャーン島には海だけではなく滝(น้ำตก)もあるということが分かったので、滝にも行ってみたのだがここで思わぬ事態に遭遇することになる。

 なんと滝に行ってみると有料だったのである。なんでもここは国立公園だから有料なのだそうだ。しかし国立公園とは行っても本当にちっぼけな滝なのだが、まあ有料というのは百歩譲って納得しよう。ただ、ぼくが納得がいかなかったのはその値段である。タイ人は10バーツなのに外国人は「200バーツ」と言うのだ。ぼくは日本にいる時に海の近くに住んでいたことがあって、そこにもやはりこのチャーン島のような滝があったのだがもちろんそこは無料であった。その日本の滝と大差のないようなどこにでもありそうなこの滝に入るのに200バーツ。しかもタイ人は10バーツだと言うのに。これにはどうしても納得できずケチなぼくは入場料を徴収していた職員に文句を言った。「外国人が20バーツとか40バーツと言うんだったらまだ理解できる。でもタイ人が10バーツなのに外国人が200バーツというのはあまりにも高すぎる。」と。そしたらこの人はぼくのことがうっとおしくなったのかそのままお金も徴収せずに中に入らせてくれた。こうなるとこうなったでぼくもタダで入ることになりちょっと決まりが悪かったのだが最終的には200バーツ払わずにすんだ。

 この後にまた別の滝に行ったのだが今度は先ほどのことがあるので、外国人が200バーツということは最初から分かっていた。そこでぼくは妻とともに何も言わずに職員に20バーツ渡したら今度は何も言わずに通してくれた。

 そんなわけで、チャーン島でのぼくの一番の思い出と言えば、200バーツの入場料を払わずに済んだことである。