モジュール4(といってもモジュール3のつづき)

 独学ではもう一つはっきり分からなかった読み方のルールがさらに明確に理解できたこと以外に、学校でタイ語の読み書きを勉強してよかったと思ったことがもうひとつある。字がきれいに書けるようになったことである。

 独学で勉強していた時もタイ文字の練習帳を買って、文字を書く練習も少しはしていたしそれなりにきれいに書いているつもりだったが、後からその文字をあらためて見た時に、やはり独学なので字に変なクセがあることが分かった。

 タイ語学校ではモジュール3から罫線の入ったノートを使って文字を書くようになる。罫線が入っているので当然ながら上下がきちんと揃った字が欠けるようになる。さらに、その日に勉強した文字は毎日宿題で書かなければならないので、先生に教わった通りに丁寧に書いていれば字は自然ときれいに書けるようになる。ただ、このあたりは人によって差があるようで、ある日たまたま別の生徒のノートを見たら、ぼくから言わせればあまりきれいとは言えない字だった。

 もちろん日本語がきれいに書けるからといってうまく話せるわけではないのと同じように、タイ文字がきれいに書けるからといってタイ語がうまく話せるようになるわけではないが、やはりこれも日本語と同じように、きれいな字を書けて損することはないと思う。

 さて、モジュール4は要するにモジュール3の続きなのでやることはほとんど変わらないのだが、モジュール3との違いは、以前書いたようにタイ語の読み書きの時間が増えることである。そして、このモジュール4の内容も実はほとんど覚えていないのだが、実は先生のことだけはよく覚えている。

 というのも、ぼくの通ったタイ語学校の先生はほとんどが女性なのだが、このモジュール4の時の先生だけは男の先生だったのだ。さらにこの人はまだ先生の経験が浅く、正直言って教え方はあまり上手ではなかった。モジュール3の先生がベテランの人で教え方も上手だっただけに余計に落差が激しかった。

 ただし、ぼくがこの先生のことをよく覚えているのはこの人がただひとりの男の先生だったからではなく、この人の教え方が有り体に言えばヘタクソだったからであり、そのためにぼくはこのモジュール4でこれまでの3ヶ月ではあり得なかった状況を経験することになる。