モジュール2

 モジュール2は要するにモジュール1のつづきである。つまり、文字の読み書きは勉強せず、ひたすら新しい文章や単語を覚えていく。

 その内容は、簡単に説明すると、例えば「私はタイに行ったことがあります」という文章があり、まず先生がその文章の意味を説明する。そしてその後、「タイ」という部分を他の場所に置き換えたり、「行った」という部分を他の動作に置き換えたりしていく。また、上には1つの文しか書かなかったが、実際の例文は問いとその答えがセットになっており、それを先生が生徒ひとりひとりに尋ねて答えさせたり、生徒同士がそれぞれ尋ねたり答えたりする。

 実はタイ語学校のテキストはタイに置いてきて手元にないので、残念ながら、具体的にどういう文章を勉強したのか分からないしほとんど覚えていない。もしテキストが手元にあればモジュール2で習う単語数も数えて、モジュール1と2で合わせてどのくらいの単語を勉強するのか調べてみたいのだが。ちなみに、なぜモジュール1の単語数を調べられたかと言うと、ぼくが通っていた学校とほぼ同じ内容のテキストを使っている学校にうちの父が一昨年1ヶ月だけ通ったので、そのテキストで調べたのである。

 ところで、学校に通っていた当時は考えたこともなかったのだが、文字の読み書きを3ヶ月目から教えるというのは実は理にかなっていると思う。と言うのも、この学校は基本的にタイ語を使ってタイ語を教えている。いわゆる直接教授法というやつだろう。したがって、文字の読み書きを教える際も当然ながらタイ語のみでそれを説明する。しかしながら、文字の読み書きといった内容をまったくのタイ語初心者にいきなりタイ語で教えるというのはかなり困難なはずである。そうすると、やはり文字の読み書きを勉強する前に基本的な文章や単語をある程度勉強しておく必要があるのだろう。実際、モジュール2まで終われば、たどたどしいながらも先生とタイ語でコミュニケーションが取れるようになる(はずである)。

 ちなみに、モジュール1においても先生は当然タイ語のみで説明するわけだが、まったくの初心者にタイ語だけでタイ語を教えるなんていうことが本当にできるのかという疑問を抱く人もいらっしゃるかもしれない。たしかによくよく考えてみればそうである。まったくタイ語を知らない人にどうやってタイ語タイ語を教えるのだろう。じゃあぼく自身はどうだったかと言うと、ぼくの場合は最初から多少言葉を知っていたので、先生の言うことは最初から理解できた。ただ、本当にまったくタイ語は初めてという人はある程度苦労するかもしれない。実際うちの父がそうで、父の場合はタイ語はもちろんだが、英語もまったくダメなので結局途中から授業についていけなくなり、最後は挫折してしまった。ちなみに、タイ語だけで教えるとは言っても、実際には単語レベルで先生が英語を使うことも時にはあるし、テキストの新出単語のページは英語で意味や説明が書かれているので、せめて中学英語ぐらいの知識や単語力がないと、やはりちょっと難しい面はあるかもしれない。