音声付けました第5声調

 さて、前回の第2声調では、「低子音が頭子音になることはない」と書いた。たしかにこれは間違いではないのだが、ある種類の低子音の前に「H ()」が付くと高子音の音になり、そういった低子音の場合は例外である(例:「หนุ่ม (hnum)」)。ただし、この場合の低子音はあくまで「高子音」扱いであるため、声調の考え方は高子音とまったく同じである。

 さて今回。今回は第3声調かと思いきやなぜか第5声調。これには一応わけがあるのだがとにかく今日は第5声調。

 いきます。

 第5声調で頭子音になるのは中子音か高子音だけ。ということはつまり、第5声調では低子音は頭子音にはならない、普通は。

 ところが実は普通じゃない場合があって、以前このブログに書いたのだが、Hな低子音というのがある。簡単に言うと「H ()」を低子音の前に付けると高子音になってしまうのだが、そのあたりの詳しい説明については以前さんざんHの話を書いているので、これこれを読んで復習していただければと思う。

 次に、第5声調には声調記号が付く場合と付かない場合があるが、声調記号が付くのは、頭子音が中子音の場合だけで、それもその声調記号は「ไม้จัตวา (mai cattawaa)」と決まっている。逆に声調記号が付かないのは、頭子音が高子音あるいはHな低子音(つまり高子音化した低子音)の場合である。

 後は、頭子音が何であっても、末子音は必ず「k、t、p以外の音」になるかあるいは末子音は付かない。

 では、今回は少しスッキリしたレイアウトで。

 1. 頭子音が高子音あるいはHな低子音の場合

  1.1 高子音の場合

  <声調記号なし+長母音+末子音なし>

  「ขา (khaa)」「ถู (thuu)」「ผี (phii)」「ฝา (faa)」「สี (sii)」「หู (huu)」

  <声調記号なし+長母音+末子音が「k、t、p」以外の音>

  「เขียน (khian)」「เฉียง (chiang)」「ฐาน (thaan)」「เถียง (thiang)」「แผน (phEEn)*1」「แฝง (fEEng)」「เสียง (siang)」「หาง (haang)」

  <声調記号なし+短母音+末子音「k、t、p」以外の音>

  「ขิง (khing)」「ฉุน (chun)」「ถุง (thung)」「ผม (phom)」「ฝัน (fan)」「สิงห์ (sing)」「หุง (hung)」

  1.2 Hな低子音の場合

  <声調記号なし+長母音+末子音なし>

  「เหงา (hngao)」「หนู (hnuu)」「หมี (hmii)」「หรือ (hrUU)」「โหล (hloo)」「หวา (hwaa)」

  <声調記号なし+長母音+末子音が「k、t、p」以外の音>

 「หงาย (hngaai)」「เหมือน (hmUan)」「เหรียญ (hrian)」「หลวง (hluang)」

  <声調記号なし+短母音+末子音「k、t、p」以外の音>

 「หญิง (hying)」「หนัง (hnang)」「หมุน (hmun)」「หลง (hlong)」「หวัง (hwang)」


 2. 頭子音が中子音の場合

  <声調記号「ไม้จัตวา」+長母音+末子音なし>

 「จ๋า (caa)」「เดี๋ยว (diao)」「ป๋า (paa)」「เอ๋ (ee)」

  <声調記号「ไม้จัตวา」+長母音+末子音が「k、t、p」以外の音>

 「ตุ๋น (tun)」「บุ๋ม (bum)」「ปุ๋ย (pui)」


 なお、「Hな低子音」の発音の英語表記(カッコ部分)には、例えば最初の「khaa」のようにすべてあたまに「h」を書いているが、これは普通の低子音と区別するため、このブログで便宜上このように表記しているだけで、「h」つまり「ห」の音は一切発音しない。

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*1:口を大きく横に広げる「エ」