ボインちゃんさようなら その2

 กรุง

 「k」+「r」+「(母音の) u」+「 (末子音) のng」なので「krung (クルン) 」と読む。ところでタイの首都「バンコク」は「天使の都」と形容されていることがよくあるが、あれにはちゃんと理由がある。一般的にはタイの首都は「バンコク」あるいは「Bangkok」と言われているが、タイ語ではバンコクではなく「กรุงเทพ (krungtheep)」と呼ばれており、実はこれがバンコクが「天使の都」と称されている所以である。ここで少しタイ語の文章のルールを説明しておかなければならない。日本語では「天使の都」とあるように、「名詞を飾る言葉 (ここでは「天使の」) 」が名詞の「前」につくが、タイ語の場合は日本語とは逆で「名詞を飾る言葉」が名詞の「後ろ」につく。つまり、「กรุงเทพ (krungtheep)」は、「กรุง (krung)」が「名詞」で、「เทพ (theep)」が「名詞を飾る言葉」なのである。つまり、「กรุง (krung)」が「都」で、「เทพ (theep)」が「天使」ということなのだ。

 ครัว

 「kh」+「r」+「(母音の) ua」なので「khrua (クルア) 」と読む。この言葉も目や耳にする機会が比較的多い言葉のひとつで「炊事をするための場所」という意味を持つ。

 ขรุขระ

 「kh」+「r」+「(母音の) u」+「kh」+「r」+「(母音の) a」なので「khru khra (クル クラ) 」と読む。この言葉は普段あまり使うことはないが、例えば顔にニキビがいっぱいできた人の肌の状態を説明する時にこの言葉を使ったりする。

 กล้วย

 これは読むのがちょっと難しいかな。先に言うと母音は「挟まれボイン」である。「k」+「l」+「(母音の) ua」+「 (末子音の) i」なので「kluai (クルアイ) 」と読む。この言葉のイメージはぼくとしては「猿が食べるあの黄色いフルーツ」。そう「バナナ」である。ちなみに日本人が「バナナ」と聞くとスーパーなんかで見かけるあのバナナを想像するだろうが、タイでは一口に「バナナ (กล้วย) 」と言っても色々な種類があるので、タイ人が想像する「กล้วย」は必ずしも日本人が想像するあのバナナとは限らない。というかぼくの経験から言えばそうではない場合の方がむしろ多いのではないだろうか。

 คล้าย

 「kh」+「l」+「(母音の) aa」+「 (末子音の) i」なので「khlaai (クラーイ) 」と読む。この言葉も比較的よく目や耳にする言葉だが、「目」にする場合はともかく、普段の会話で「耳」にする場合はおそらく「クラーイ」とは聞こえず、むしろ「カーイ」と聞こえるだろう (ただし、これについて説明し出すと日記が長くなりすぎて途中でいやになりそうなのでまた別の機会に書くことにする) 。しかも「カーイ」単独よりも「カイカーイ*1」と言ったように2回続ける場合の方が多い。色んな場面で使われるが、ニュアンスとしては「まあそんな感じだよ」といった具合に使われることが多い。

 「ขล」の単語はあまり一般的なので飛ばす。

 กวาด

 「k」+「w」+「(母音の) aa」+「 (末子音の) t」なので「kwaat (クワート) 」と読む。ほうきを使ってすること。これをまめにやらないと部屋がほこりだらけになる。ちなみにほうきのことをタイ語では「ไม้กวาด」という (「ไม้」とは「木」のこと) 。

 คว่ำ

 「kh」+「w」+「(母音の) am」なので「khwam (クワム) 」と読む。例えば、タイマッサージ店でうつ伏せになったり、道路を走っている車や海を航行している船などがひっくり返ったりした時にこの言葉を使う。

 แขวน

 「kh」+「w」+「(母音の) EE (口を大きく横に開く「エ」) 」+「 (末子音の) n」なので「kwEEn (クウェーン) 」と読む。ええと、ハンガーのことをタイ語では「ไม้แขวน」というのだがその「แขวน」である (「กวาด」のところにも出てくるが「ไม้」とは「木」のことである) 。

 いやあなんとも長ったらしくなったがこういう子音が重なっているのを一般には「二重子音」と言う。

*1:同じ単語をこのように2回続けて発声する場合は最初の音は短くなる。その理由については後日説明する。