えいでうあのボイン

 やってしまったあ。昨夜書いた日記が消えてしまった。

 ということで日記の内容を大幅に変更。もう昨日と同じような日記を書く気力なし。

 1月10日の日記でぼくは次のボインを紹介している。

 「เ อะ」「เ อ」

 この2つのボインは左が短母音で右が長母音。発音は「ウ」と「ア」が混ざったような感じで、カタカナで表記すると「ウ」に近い。

 今日紹介するボインは上のボインの変形バージョンだと思っていただければいい。

 例えば、「เกอ」と書けば、「クー」あるいは「カー」のような発音になる。では、これに末子音の「ด(d)」がつくとどうなるのか。

 素直に考えれば「เกอด」と書きそうなものだが、実はこういう表記の仕方はタイ語にはない。では、どうなるのか。

 実はこんなふうに変形してしまうのである。

 เกิด

 長母音の「เ(エー)」と「 ิ(イー)」がつっくいて発音は「ウ」と「ア」が混ざったような音になるので、エイでウアのボインなのである。

 では、この「เกิด」はどう発音するのか。無理を承知であえてカタカナで表記すれば「クート」が一番近いと思う。もう少し言えば「クート」に「カート」という音を混ぜるような感じである。ちなみに声調のルールはこれまでと同じなので、この場合は中子音で声調記号がなく末子音が「t」の音なので、第2声調(\)となる。意味は、我々が母のお腹から出てくる時の作業だと言っておこう。

 では、この「エイでウアのボイン」を使った言葉をいくつか紹介してみよう。

 เชิญ

 末子音の「ญ」は「น」と同じ「n」の音なので、この言葉は「チューン(+チャーン)」という発音になる。声調は、低子音で声調記号がなく末子音が「n」の音なので、第1声調(―)となる。タイでレストランなんかに入ると、まともな店員ならこの言葉で客を席に招いてくれるはずだ。日本でもそうでしょ。「いらっしゃいませ」の後に、店員が客を席に招く時に一言いってくれるでしょ。こちらへ「どうぞ」って。それと同じ。

 เพิ่ง

 「プン(+パン)」と発音する。声調は、低子音で声調記号がマイ・エークで末子音が「ng」の音なので、第3声調(∧)となる。

 เปิด

 「プート(+パート)」と発音する。声調は、中子音で声調記号がなく末子音が「t」の音なので、第2声調(\)となる。この言葉はエレベータのボタンに大体書かれていて、「ปิด(ピット)」という言葉とセットになっている。例えば、エレベータに何人か乗っていて同じ階でおりるとする。そんな場合は「เปิด」と書かれたボタンを押して、お先にどうぞということを示すために「เชิญ(チューン)」と一言そえるのがじぇんとるまんというものなのかどうかは知らないが、間違っても「ปิด」と書かれたボタンを押してはいけない。そんなことをしたら自分までおりたい階でおりられなくなってしまう。

 เริ่ม

 「ルーム(+ラーム)」と発音する。もちろん「部屋」という意味ではない。声調は、低子音で声調記号がなく末子音が「m」の音で、第3声調となる。タイでテレビを見ていると例えばクイズやゲームの番組がけっこうやっていて、番組の司会者がこの言葉をよく使う。例えばこんな場合にだ。今から椰子の実を割るゲームをします。制限時間は1分で、時間内に5つの実を割ることができれば1万バーツです。では用意はいいですか。はい。「เริ่ม(ルーム)」です。こんな感じである。

 เลิก

 「ルーク(+ラーク)」と発音する。声調は、低子音で声調記号がなく末子音が「k」の音なので...。この場合は、ボインが「長母音」なのか「短母音」なのかが問題となる。で、このボインの場合は「長母音」なので、第3声調(∧)となる。ちなみにもし短母音だと第4声調になるのだが(例えば「ลิก」と書けば第4声調)、このルールはややややこしいので(意味分かります?)、「長母音」は「第3声調」と覚えていただきたい。その心は「超ボイン」なので「∧」である。ある意味「เริ่ม(ルーム)」の反対みたいなところはあって、例えば、ヘビースモーカーの人が大病を患って、もうこれからはタバコを「เลิก(ルーク)」します、なんていう時にも使ったりする。