挟まれボイン

 さて、前回の隠れボインに続いて今回は「挟まれボイン」である。決して「挟み」ではない。

 では、どんなボインちゃんなのかいくつか紹介してみよう(なんかこういう字面で書くとかなりエロい)。

 では、最初のボインちゃんはこの人。じゃなくてこの字。

 ช่วย

 どうでしょうか。お気に召しましたでしょうか。では、次の子じゃなくて字を。

 ด้วย

 どことなく雰囲気が似ていることにお気づきであろうか。

 まずは大盤振る舞いでどんどん紹介していこう。

 ทวด

 ปวด

 ซวย

 ห่วง

 どうであろうか。何がどう「挟まれボイン」なのか分かるであろうか。

 「挟まれている」のは?そう。「ว」である。そして挟んでいるのが左右の子音。

 ちなみに読み方は、左の子音(頭子音とも言う)+「ว」で「ua(口をすぼめる「ウ」)」となり、例えば最初の「ช่วย」の「ช่ว」なら「chua(チュア)」、次の「ด้วย」の「ด้ว」なら「dua(ドゥア)」となる。それに末子音の音がついて、「ช่วย」なら末子音の「ย」は「y」の音なので「chuay(チュアイ)」。「ด้วย」なら末子音の「ย」は「y」の音なので「duay(ドゥアイ)」。また、声調についてはこれまでと同じで、「ช่วย」は低子音に声調記号がマーイ・エークなので第3声調(末子音は「k、t、p」の音ではないので末子音の影響は受けない)。「ด้วย」は中子音に声調記号がマーイ・トーなのでやはり第3声調。この2語を合わせると「ช่วยด้วย」で「助けて下さい」となる。

 さて、残りのボインちゃんも見てみよう。

 「ทวด」は「ท」+「ว」で「thua(トゥア)」。末子音は「t」の音なので「thuat」。カタカナだと「トゥアット」だが、耳に聞こえる音としては「トゥアッ」に近い。さて、この単語の声調だが、低子音で声調記号がなく末子音が「t」の音なので、この場合はボインじゃなくて母音が「長母音」なのか「短母音」なのかが問題になる。実はこの母音は「長母音」なのである。ということは、第3声調なのである。だから本当はアルファベットなら「thuuat」と書くべきなんだが。

 次。「ปวด」は「ป」+「ว」で「pua(プア)」。末子音は「t」の音なので「puat」。カタカナだと「プアット」である。声調は、中子音で声調記号がなく末子音が「t」の音なので第2声調。

 「ซวย」は「ซ」+「ว」で「sua(スア)」。末子音は「y」の音なので「suay」。カタカナだと「スアイ」。声調は、低子音で声調記号がないので第1子音。

 あとひとつ。「ห่วง」は「ห」+「ว」で「hua(フア)」。末子音は「ng」の音なので「huang」。カタカナだと「フアン」。声調は、高子音で声調記号がマーイ・エークで末子音が「ng」なので、第2声調。

 ということで、この「挟まれボイン」。ご理解いただけたであろうか。

 ちなみに今回の単語を全部くっつけると...。

 ช่วยด้วยทวดปวดซวยห่วง

 となり、そのまま直訳すると、「助けて下さい、曽祖父(あるいは母)、痛む、ついてない、心配」となり、いわゆる「カタコト」のタイ語ながら何となく言いたいことは伝わりそうである。まあ、これは挟まれボインちゃんで無理矢理作ってみたんだが。

 そんなこんなでこの隠れボインちゃんを攻略すればまだ1段レベルアップすること間違いなしである。