解析〜中子音編〜

 まずおさらい。

  ① กา → 第1声調(声調記号なし)

  ② ก่า → 第2声調(声調記号は「マーイ・エーク」)

  ③ ก้า → 第3声調(声調記号は「マーイ・トー」)

  ④ ก๊า → 第4声調(声調記号は「マーイ・トリー」)

  ⑤ ก๋า → 第5声調(声調記号は「マーイ・チャッタワー」)

 次に、末子音が付いた場合。

 まずは、「k、t、p」の音の末子音から。

 กาด → 第2声調

 声調記号がない場合は「第1声調」だったが、「k、t、p」の音の末子音が付くと「第2声調になる」。これだけ。

 では、「ng、m、n」の音の末子音が付いた場合は?

 กาง → 第1声調

 そう。これは低子音と同じ。つまり、末子音が付いて声調が変わるのはどの子音であっても「k、t、p」の音の末子音の時だけ。

 実際の単語で確かめてみよう。

 กิน → 第1声調

 今回は前回とは逆に考えてみる。つまり、最初から声調の種類を示しておいてそれが正しいことを解析によって確かめる。実際、ぼくが独学した時もこういう方法で発音の仕組みを理解していった。

 さあ、まず最初の「กิน」だが、声調記号がなく末子音が「n」の音なので、声調は「第1声調」で正しい。タイ語を勉強するならまずこの単語は覚えないと始まらない。なんせ「腹が減っては軍はできぬ」のだから。

 กุ้ง → 第3声調

 声調記号がマーイ・トーで末子音が「ng」なので第3声調で正しい。さあ、これをあえてカタカナで表記すると「クン」となるのだが、これはタイ語の中でもかなりよく知られた言葉のひとつ。世界3大スープのひとつとか言われているあれの名前にあるでしょう。

 กุด → 第2声調

 声調記号がなくて末子音が「t」の音なので、声調は「第2声調」で正しい。この単語はけっこうタイ語がしゃべれる人でも知らないかもしれない。でもぼくはこの単語を見るとふたつのイメージが浮かぶ。ひとつはしっぽが極端に短い犬。もうひとつはノースリーブのシャツ。そういう意味の単語。

 จับ → 第2声調

 声調記号がなくて末子音が「t」の音なので、声調は「第2声調」で正しい。この単語は子どもで言うと「おにごっこ」とか「虫取り」のイメージかなと。

 จิงโจ้ → 第1声調と第3声調

 前半部分は、声調記号がなくて末子音が「ng」の音なので、声調は「第1声調」で正しい。後半部分は、声調記号がマーイ・トーで末子音がないので、声調は「第3声調」で正しい。これは動物の名前。オーストラリアで有名なお腹に袋があるあの動物。

 เจ็บ → 第2声調

 声調記号がなくて末子音が「p」の音なので、声調は「第2声調」で正しい。ん?と思ったでしょう。そう。「จ」の上になんか変な記号が付いている。この記号は「マーイ・タイ・クー(ไม้ไต่คู้)」といって、長母音を短母音化する記号なのである。つまり、「เจบ」だと「ceep」と長母音なのだが、「เจ็บ」になると「cep」と短母音になる。ただし、短母音であろうと長母音であろうと末子音が「k、t、p」の音の場合は第2声調なのは変わらない。

 あと、せっかくなのでこの「マーイ・タイ・クー(ไม้ไต่คู้)」の声調も見てみよう。

 まず「ไม้」だが、低子音で声調記号がマーイ・トーなので?はい。第4声調。次に「ไต่」は中子音で声調記号がマーイ・エークなので声調記号は第2声調。最後に「คู้」は低子音で声調記号がマーイ・トーなので「ไม้」と同じく第4声調。ちなみにこの「マーイ・タイ・クー」っていう名前は普段ほとんど使うことがないので、さっきこの日記を書くために辞書で調べた。ちなみに普段はなんと読んでいるかというと「数字の8」。実はこの記号はタイ数字(日本語でいう漢数字みたいなもの)の「8(๘)」と同じ形なのである。ついでに言うと、声調記号のマーイ・トリーはタイ数字の「7(๗)」と同じ形である。

 まあ、こんな感じでひたすら解析するわけである。