いわゆる声調というやつについて

 いきなりだがタイ語には声調がある。全部で5つだ。

 じゃあどんな声調があるのかを今から説明するのでぜひご清聴いただきたい。

  第1声調 抑揚がなく平らな発音(記号で書くと「−」)

  第2声調 低く下がる発音(記号で書くと「\」)

  第3声調 上がって下がる発音(記号で書くと「∧」)

  第4声調 高く上がる発音(記号で書くと「/」)

  第5声調 下がって上がる発音(記号で書くと「∨」)

 あと、タイ語には声調記号というのがあり、それは以下の4つである。

  ① ก่า
  ② ก้า
  ③ ก๊า
  ④ ก๋า

 ええと、ぼくはローテクなので声調記号だけを表記することができず、上のように仕方なく子音の「ก」に声調記号をつけることにした。

 さて、上の①から④だが、もしこのタイ語の読み方をアルファベットで表記すれば全て「kaa」となってしまう。ところが実際には①から④はすべて発音が違うのだ。そこでどう違うのかを声調記号を何も付けない「กา」も加えて説明すると以下のようになる。

  ① กา → 第1声調(−)
  ② ก่า → 第2声調(\)
  ③ ก้า → 第3声調(∧)
  ④ ก๊า → 第4声調(/)
  ⑤ ก๋า → 第5声調(∨)

 このように、声調記号を付けない場合も含めて、4つの声調記号を子音の右上に付けることによってタイ語の発音は決まるのである。

 ということで、これでようやくタイ語の発音ができようになった!と言いたいところだが、実はこれではまだほんの一部のタイ語しか発音できないのである。そこで次にこの5つを見てほしい。

  ① ขา
  ② ข่า
  ③ ข้า
  ④ ข๊า
  ⑤ ข๋า

 この5つもさっきの「ก」と同じ発音パターンかと思いきや実は違うのだ。「ข」の場合はこうなる。

  ① ขา → 第5声調(∨)
  ② ข่า → 第2声調(\)
  ③ ข้า → 第3声調(∧)
  ④ ข๊า → なし
  ⑤ ข๋า → なし

 なんとこんな感じなんである。④と⑤の「なし」ってどういうことだと思った人もいるかもしれない。実は「ข」の場合は④や⑤の声調記号が付くことはありえないのである。よって、「ข」の場合は声調は3つだけ。

 では、続いて「ค」の場合はどうか。

  ① คา
  ② ค่า
  ③ ค้า
  ④ ค๊า
  ⑤ ค๋า

 この5つもやはりさっきの「ก」と違う。「ค」の場合はこうなる。

  ① คา → 第1声調(−)
  ② ค่า → 第3声調(∧)
  ③ ค้า → 第4声調(/)
  ④ ค๊า → なし
  ⑤ ค๋า → なし

 なんと今度はこんなふうになってしまう。④と⑤の記号は「ข」の時と同じように付くことはありえない。ということで、「ค」の場合も声調は3つだけである。

 なんで「ก」と「ข」と「ค」では違うのか。その答えは1月8日の日記にある。1月8日の日記ではタイ語の子音42字を紹介しているが、日記の下のほうを見ると、子音が3つのグループに分けられている。そう。タイ語の子音というのは「低子音」、「中子音」、「高子音」の3つのグループに分かれているのだ。

 そして、上の「ก」と「ข」と「ค」を見てみると、「ก」が「中子音」で、「ข」が「高子音」、「ค」が「低子音」であるということが分かる。

 つまり、上の「ก」と「ข」と「ค」の①から⑤までの発音は「中子音」の場合と「高子音」の場合と「低子音」の場合ということになる。

 だから、例えば「จ้า」であれば、「จ」は中子音なので第3声調(∧)ということになる。これは母音が変化しても同じで、「แจ้」であってもやはり発音は第3声調(∧)である。

 さて、これでタイ語の読みも発音もだいぶできるようになってきた...と言いたいところなのだが、実はまだこれでは不完全なのである。なんか書いているぼくもいやになってくるのだが、もうひとふんばりするとだいぶ道が開けてくる、と思う。