タイ語の母音を覚える その2

 前回の日記でせっかく母音を書いたのでちょっと説明。

 まず①は日本語で言うと「ア」と「アー」。左が短母音で右が長母音である。

 次に②は「イ」と「イー」。同じく短母音と長母音。

 ③と④はともに「ウ」と「ウー」だが、両方とも日本語のそれとは発音が違う。③は口をすぼめるあるいはとんがらせる「ウ」で、④は口を思いっきり横に開く(子どもが「イーッだ」ていう時の口の)「ウ」である。

 ⑤と⑥は「エ」と「エー」で、⑤は日本語の「エ」と同じような発音だが、⑥は口をもっと横に大きく開く、英語の発音でいうアとエの中間みたいな発音である。

 ⑦と⑧は「オ」と「オー」だが、⑦は③のウみたいに口をとんがらせる「オ」で、⑧のほうは口の中にピンポン玉が入っているような感じで発音する「オ」である。

 最後の⑨だが、これが一番説明しにくい。タイ語関係の書籍にはいろいろ書いてあると思うが、ぼくの感覚では「ア」に「ウ」が混じったような発音である。ただ、これではよく分からないと思うので、別の視点から説明すると、英語の「e」を逆さまにした発音記号の音と同じような発音だと思う。例えば、「percent」の最初の「e」の発音なんかがそうで、カタカナだと「パーセント」と書くが、音ははっきりと「パ」ではなく、ちょっと「プ」が混じったような感じとでも言えばいいだろうか。ただ、日本語では表記はしにくいが発音自体は難しくはない。

 まあ、そんな感じで長短合わせて18の母音があるわけだが、これを子音の文字と組み合わせるとどうなるかやってみよう。

 とその前に大事なことをひとつ。初めの頃の説明したように、タイ語の母音というのは子音の左にも右にも上にも下にも付く場合があり、同じ母音であっても付く場所が違うのでそこはあらかじめお断りしておく。

 さて、ではまず①から。

 ①の短母音である「ะ」に子音の「ก(k)」を付けると「กะ」となり、「カ」と読む。イメージとしては「K」+「a」で「Ka」みたいな感じである。これが長母音の「า」でも同じことで、これに子音の「ก(k)」を付けると「กา」となり、「カー」と読む。①の場合は母音が子音の「右」に付く。

 次に②でも同じように子音を付けてみると、「 ิ」+「ก」で「กิ」となり、「キ」と読む。②の場合は母音が子音の「上」に付く。

 ③の場合は「 ุ」+「ก」で「กุ」となり、「キ」と読む。③の場合は母音が子音の「下」に付く。

 ④は形を見てもらえれば想像が付くかもしれないが②と同じで母音が子音の「上」に付き「กึ」になる。

 さて次に⑤。この辺りから少しややこしくなる。今度はまず長母音から。⑤の長母音は「เ」で、これに母音の「ก」を付けると「เก」となり、「エー」と読む。つまり、この場合は母音が子音の「左」に付く。次に短母音だが、⑤の短母音は「เ ะ」で、これに母音の「ก」を付けると「เกะ」となる。つまり、この場合は母音が子音の「左」と「右」に付く。と言うか、子音が母音にはさまれる形になる。ちなみに⑥と⑦もこの⑤と同じ形である。

 次に⑧だが、これが短母音と長母音の形に一番共通性のない母音だと思う。まず短母音だが、こちらは⑤と同じように子音が母音の間に挟まれる形で「เ าะ」と「ก」だと「เกาะ」となり、タイ語で「島」を表す「コ」というのがこの「เกาะ」である。一方、長母音の方は「อ」+「ก」で「กอ」となり、「コー」と読む。長母音の場合は母音が子音の「右」に付くのである。

 最後に⑨だが、これは⑤、⑥、⑦の短母音と同じく母音の左右に子音がはさまれる形で、「เกอะ」、「เกอ」といった形となる。

 といった具合に子音と母音を組み合わせることで初めて音のある文字となるのである。これを読めばタイ語を全く知らない人でも少しはタイ語の読み方が分かると思うが、残念ながら実はこれではまだタイ語を読むことはできないのである。