タイ語の子音を覚える その3

 ぼくはどうやって子音を覚えたのか。

 まず、1月6日の日記で紹介した『旅の指差し会話帳』にタイ語の子音文字がイラストとともにのっていて、それをながめたりもしたのだが、さすがにながめるだけでは覚えられない。では何をしたのか。「書いた」のである。

 使ったのは日本語でいう「ひらがな練習帳」みたいな本で、要はタイ語の文字をなぞったり書いたりする練習をしたのだ。タイ語というのはくねくねしていて得体の知れない言語のように見えるが、書き順というのは実に単純で、ほとんどの文字は「。」のところから一筆で書けるので、読めなくても書くのは難しくはない。実際ぼくはまだ文字がまともに読めない時でも文字を書いていたし、うちの父ですら書くだけなら書ける。

 ちなみにこのひらがな練習帳ならぬタイ文字練習帳は、カオサン通りから程近くにある学校の教科書などを売っている書店で購入したと記憶しており、子音文字だけでなく、母音文字の練習帳もあわせて購入した。

 この頃のぼくは、他の旅行者と同じようにゲストハウスに滞在していたし、実際ゲストハウスに泊まっていた人たちと過ごした時間もかなり楽しかったのだが、ぼくの場合はこの先タイ語を勉強するという予定があったので、仕事をやめて毎日あてもなくゲストハウスで過ごしてはいたものの、タイ語を勉強するという目標に向かって毎日けっこう一生懸命読み書きの勉強はしていた。多分1日5時間ぐらいは勉強していたはずだ。何と言っても他にやることがなかったから。

 あとは、前日の日記のように子音文字を低子音、中子音、高子音に分けた表を作り、それを見て中子音と高子音を覚えるようにした。

 ただ、まずは子音を完璧に覚えてから次に母音を覚えるというやり方をしたのではなく、実際には子音と母音を並行して覚えていった。